トヨタを代表するコンパクトカーといえば、
やはりアクアとヴィッツが思い浮かぶと思います。
元々トヨタのコンパクトカーといえばヴィッツが主流でしたが、
ハイブリッドカーが一般化した現在、少なくとも日本国内においてはアクアの方が人気です。
今回はトヨタの代表車種であり、自動車販売台数ランキングでも上位に君臨するアクアとヴィッツを徹底比較。
いったいどっちを買えばいいのか迷っている人はぜひご覧ください。
目次
キャラクターが丸被り!ヴィッツハイブリッドとアクア
引用元:WEB CARTOP
ヴィッツはトヨタが製造・販売を行なっているコンパクトカーです。
初登場は1999年で、現在販売されているモデルは3代目にあたります。
日本国外ではヤリスという名称で展開されており、
WRCでの活躍によって欧州市場を中心に人気が高まっています。
アクアもヴィッツと同じく、トヨタが製造・販売を行っているコンパクトカーです。
初登場は2011年。プリウスとまったく同じハイブリッドシステムを搭載したことで、
発売当初から一躍トヨタの人気車種へとのぼりつめました。
ヴィッツはトヨタの販売チャンネルのひとつであるネッツ店の専売車種ですが、
アクアはトヨタの全チャンネル(カローラ店、トヨタ店、トヨペット店、ネッツ店)で取り扱われています。
アクアの発売当初はハイブリッドモデルのアクア、ハイブリッドシステムを搭載していないガソリンモデルのヴィッツとして、明確に差別化されていました。
しかし、アクアの発売から6年が経過した2017年にトヨタは、
ヴィッツにハイブリッドモデルを新たに設定します。
これにより、トヨタはハイブリッドシステムを搭載したコンパクトカーを2車種同時にラインナップしていることになります。
もちろん、同じコンパクトカーとはいえアクアとヴィッツハイブリッドにはそれぞれに異なる魅力がありますし、
天下のトヨタがコンセプトの被る2車種を同時に展開する選択をしたということは、それが正解なのでしょう。
しかし、一般の人にとって、アクアとヴィッツハイブリッドは「見た目だけが違う車」と認識している人も多いはず。
そこで今回は、キャラクターが丸かぶりしているアクアとヴィッツハイブリッド徹底比較して、両車で異なる点やそれぞれの魅力を再確認してみようと思います。
ヴィッツハイブリッドとアクアを徹底比較!
今回比較する項目は、
- 外観
- 内装
- 走行性能
- 燃費性能
- 安全性能
- 車内空間
- ラゲッジスペース
- 価格(グレード)
以上の8項目です。まずはヴィッツハイブリッドとアクアの外観を比較してみましょう。
外観
まずはヴィッツハイブリッドとアクアのフロントをご覧ください。
引用元:ヴィッツ公式ページ
ヴィッツハイブリッドはトヨタの統一デザインである「キーンルック」を採用しています。
エンブレムの左右からヘッドライト内部に連続したデザインがスポーティーでかっこいいですね。
大きく口を開いたようなロアグリルが、コンパクトカーだと失われがちな迫力をプラスしています。
引用元:アクア公式ページ
ヴィッツハイブリッドとは対照的に、アクアは女性らしさのある上品なフロントマスクを採用しています。
アクアもロアグリルが大きいですが、ヴィッツハイブリッドとは受ける印象が異なりますね。
つり上がったヘッドライトがまつ毛のように見え、おしゃれな感じ。
引用元:ヴィッツ公式ページ
続いて、ヴィッツハイブリッドとアクアを横からチェックしてみます。
ヴィッツハイブリッドは5ドアハッチバックで、オーソドックスなコンパクトボディを採用していますね。
サイドウィンドウの形状やリアに向かって、なだらかに上がっていくプレスラインなど、
スポーティーなデザインテイストが所々に散りばめられています。
引用元:アクア公式ページ
アクアのボディ形状自体はヴィッツと同じ、5ドアハッチバックです。
ただし横から見てみると、意外にもヴィッツハイブリッドとの形状の違いが明らかになります。
ヴィッツハイブリッドと比べ、アクアは伸びやかなスタイリングを実現。
実際のボディサイズはほぼ同じですが、画像を見る限りではアクアの方がひと回り大きく見えます。
ヴィッツハイブリッドはテールゲートが傾斜しているのに対し、アクアはストンと落ちたようなテールゲートです。
引用元:ヴィッツ公式ページ
最後はヴィッツハイブリッドとアクアを後ろからご覧ください。
リアバンパーとテールゲートが連続したデザインが、ヴィッツハイブリッドのスポーティーさの演出にひと役買っています。
横長のテールライトはコンパクトなヴィッツハイブリッドにワイド感をプラスしています。
引用元:アクア公式ページ
ヴィッツハイブリッドと比べると、アクアのリアバンパーやテールゲートのデザインは比較的シンプルです。
テールライトも縦長形状でコンパクトカーらしさがあります。
ですが、テールライト内部のデザインはハイブリッドカーらしく先進的です。
これでヴィッツハイブリッドとアクアの外観比較は終わりです。
スポーティーさを前面に押し出しているヴィッツに対し、アクアは上品かつ先進的なスタイリングを採用していて、
両車種の微妙なコンセプトの違いやターゲット層の違いが判明しましたね。
内装
続いて、ヴィッツハイブリッドとアクアの内装を比較します。
引用元:ヴィッツ公式ページ
まずはヴィッツハイブリッドの内装ですが、全体的に丸みを帯びたデザインです。
良くも悪くもコンパクトカーらしいインテリアだと思います。収納スペースもほどよく配置されていて、使い勝手は良さそうです。
引用元:アクア公式ページ
次にアクアの内装ですが、雰囲気はヴィッツハイブリッドの内装と似ていますね。
ただし、アクアの方が先進性を感じるデザインです。カラフルなセンターメーターを採用し、ステアリングは近未来的。
エアコンスイッチ類も質感が高そうに見えます。
外観と同様、ヴィッツハイブリッドの内装はスポーティー寄りで、アクアの内装はシンプルかつ先進性を感じるものに仕上がっていました。
内装も好みによるところが大きく、一概にどちらが優れているとは言えません。
しかし、質感に関してはわずかにアクアの方が上回っているのかなと感じました。
走行性能
続いて、ヴィッツハイブリッドとアクアの走行性能を比較していきましょう。
引用元:ヴィッツ公式ページ
そもそもヴィッツハイブリッドとアクアは同じパワートレインを搭載しています。
エンジンは1.5L直列4気筒エンジンで、最高出力は74馬力、最大トルクは11.3kgmです。
それにハイブリッドシステムのモーター出力が加わるため、カタログ数値上よりもパワー感があります。
車両重量も大差はなく、加速性能や軽快さなどはほぼ変わりありません。
ただし、ホイールベースはヴィッツハイブリッドが2,510mmに対し、
アクアが2,550mmなので、直進安定性はアクアの方がわずかに上回っているでしょう。
反面、小回りの良さや旋回性はわずかにヴィッツハイブリッドに分があるようです。
燃費性能
引用元:アクア公式ページ
ハイブリッドカー同士を比較するなら、燃費性能を語らないわけにはいきません。
しかし、どちらもカタログ数値上のボディサイズやスペックがほぼ変わりないので、燃費性能に関しても大きな差はないです。
ヴィッツハイブリッドのカタログ燃費(JC08モード)は34.4km/Lとなっています。
アクアは38.0km/Lを記録していますが、この数値を実現しているのはベースグレードの「L」のみで、
販売の要となる量販グレードはヴィッツハイブリッドと同じ34.4km/Lです。
安全性能
昨今は小型車でも非常に重視される安全性能。
ヴィッツハイブリッドとアクアはトヨタの先進安全技術である「トヨタ・セーフティ・センスC」が一部グレードを除き標準装備されています。
「トヨタ・セーフティ・センスC」には、
- プリクラッシュセーフティシステム(衝突被害軽減ブレーキ)
- レーンディパーチャーアラート(車線逸脱警報)
- オートマチックハイビーム(ハイ・ロー自動切替機能)
- 先行車発進告知機能
がセットになっています。
「トヨタ・セーフティ・センスC」が標準装備されていないグレードにも54,000円(税込)で取り付けることが可能です。
そのほかの安全装備に関しても差はなく、ヴィッツハイブリッドとアクアの安全性能は同程度だと言えるでしょう。
車内空間
次にヴィッツハイブリッドとアクアの車内空間を比較してみましょう。
ヴィッツハイブリッドの室内長は1,920mmとなっています。
アクアの室内長は2,015mmです。数値上ではアクアの方がわずかに長く、ホイールベースを長く確保した成果が出ているようにも感じますね。
しかし、実際に乗ってみるとそう大きな違いはないことがわかります。
こちらがヴィッツハイブリッドの車内空間。
引用元:ヴィッツ公式ページ
そしてこちらが、アクアの車内空間です。
引用元:アクア公式ページ
画像で比較してみても、後部座席の足元の広さはほぼ変わりないことが伝わるでしょう。
続いて室内幅ですが、ヴィッツハイブリッドが1,390mmに対し、アクアが1,395mmです。
こちらもわずか5mの差ですから、違いを感じることは難しいと思います。
最後は室内高。ヴィッツハイブリッドの室内高は1,240mmでアクアの室内高は1,175mmです。
こちらもわずかな差ですが、頭上空間の広さに関してはヴィッツハイブリッドの方が優秀です。
また、室内高が高いと実際の数値よりも車内空間が広く感じるというメリットもあります。
ラゲッジスペース
もうお分かりだと思いますが、ラゲッジスペースに関しても大きな差はないです。
こちらがヴィッツハイブリッドのラゲッジスペース。
引用元:ヴィッツ公式ページ
そしてこちらがアクアのラゲッジスペースです。
引用元:アクア公式ページ
実際に積載できる荷物の量も変わらないと思います。
ただし、上記でお伝えしたようにヴィッツハイブリッドは室内高がわずかに高いです。
さらに、テールゲートの開口幅も約100mm程度アクアよりも広いため、荷物の積み下ろしはヴィッツハイブリッドの方がやりやすいでしょう。
価格(グレード)
最後に比較するのは、ヴィッツハイブリッドとアクアの価格です。
ヴィッツハイブリッドは特別仕様車を除くと、4つのグレードが設定されています。
- HYBRID F 1,819,800円~
- HYBRID U/HYBRID U”Sportyパッケージ” 2,076,840円~
- HYBRID Jewela 1,973,160円~
- HYBRID GR SPORT 2,318,760円~
「HYBRID F」は量販グレード、「HYBIRD U/HYBRID U”Sportyパッケージ”」は上級グレードになります。
「HYBRID Jewela」は女性をターゲットにしたグレードで、「HYBRID GR SPORT」はスポーティーモデルです。
こちらがヴィッツの「HYBRID GR SPORT」になります。
引用元:ヴィッツ公式ページ
続いてアクアのグレードを紹介します(クロスオーバーを除く)。
- L 1,785,240円~
- S 1,886,760円~
- S”Style Black” 1,979,640円~
- G/G”ソフトレザーセレクション” 2,052,000円~
- G”GR SPORT”/G”GR SPORT・17インチパッケージ” 2,322,000円~
「L」は標準装備や機能を極力少なくして燃費性能に特化した廉価グレード、
「S」と「S”Style Black”」は量販グレード、「G/G”ソフトレザーセレクション”」は上級グレードです。
「G”GR SPORT”/G”GR SPORT・17インチパッケージ”」はスポーティーモデルになります。
こちらがアクアの「G"GR SPORT"/G"GR SPORT・17インチパッケージ"」です。
引用元:アクア公式ページ
ヴィッツハイブリッドとアクアの価格を比較してみると、わずかにアクアの方が高いことがわかりますね。
ただし、上級グレード同士を比較するとヴィッツハイブリッドの方が高いようです。
徹底比較の結果→どっちを選んでも大差なし!
ヴィッツハイブリッドとアクアを徹底比較しました。
その結果、様々な点が共通していてそれほど大きな違いはないことが判明しましたね。
大きく異なるのは外観と内装のデザインだけですので、気に入った方を購入するといいでしょう。
また、ヴィッツにはガソリンモデルの選択肢があるので、ハイブリッドモデルじゃなくてもいい人はヴィッツもおすすめです!